大森明恍の人物画—子供たち_1

子供たち_1

大森明恍は子供たちを描いた絵もたくさん残しました。


Meiko_Ohmori_017c
K#17
Fireside,
Meiko Ohmori (1901-1963), watercolor on paper, late winter 1936.
炉端,
大森明恍(明治34年-昭和38年), 紙に水彩, 40 x 34 cm, 昭和11年晩冬.
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家族が囲炉裏の周りで過ごす様子が, 紙に水彩で描かれています. 紙の周囲をいかにも額縁ふうに彩色しています. 左から, 日出子夫人, 次女のれい子さん, 長女の楓さん, 長男の如一さんと推測されます. 子供たちは, 寒さをしのぐためか, 家の中でもそうとう重ね着をしているようです. 囲炉裏の上には自在鉤にやかんがぶら下がっています. 昭和初期の暮らしぶりがうかがえる一枚です.
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Meiko_Ohmori_019c
K#19
A Girl,
Meiko Ohmori (1901-1963), oil on canvas,
少女,
大森明恍(明治34年-昭和38年), キャンバスに油彩, 38.0 x 45.5 cm (F8)
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長女の楓さんか, 次女のれい子さんを描いたものと思われます.
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Meiko_Ohmori_067c
K#67
諸久保の竹やぶとあけみ, Small Girl in Bamboo Field,
Meiko Ohmori (1901-1963), oil on board, 1939.
大森明恍(明治34年-昭和38年), 板に油彩, 31.8 x 41.0 cm (F6), 昭和14年.
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板の裏には「昭和十四年 大森桃太郎画」との本人の署名がありました. 他にチョーク書きで「諸久保の竹やぶとあけみ」と書いてありました(これは家族による注釈と思われます). したがって, これは三女の曙美さんを描いたものと思われます. 道端の草はまだ短く, 白い花をつけています. 竹藪の向こうに見える民家が, 諸久保の自宅なのかもしれません.
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Meiko_Ohmori_081c
K#81
Windows of Snow,
Meiko Ohmori (1901-1963), oil on canvas/board, Feb. 1939.
雪の窓,
大森明恍(明治34年-昭和38年), 板貼りキャンバスに油彩, 45.5 x 33.3 cm (P8), 昭和14年2月.
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昭和14年当時、諸久保(現在、御殿場市内)の自宅で描いたものと思われます. モデルは, 三人の娘、楓さん(長女)、れい子さん(次女)、暁美さん(三女)のようです. 窓の外に冬晴れの富士山が大きく見えています. 富士山から反射された光が, 子供たちの肩や背中や横顔にも映っています. まるで富士山が子供たちを見守っているかのようです.
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Meiko_Ohmori_127c
K#127
Meiko Ohmori (1901-1963), watercolor on paper, Jan. 31, 1939,
大森明恍(明治34年-昭和38年), 紙に水彩, 18.2 x 13.3 cm, 昭和14年1月31日.
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K#81とほぼ同じ構図なので, 下絵と思われます. 油絵では, 子供たちがこたつにあたりながら, 読書をしている点が異なっています. 逆光の中で読書するポーズは日出子夫人の絵(K#93)と共通です. 同じ時期に描かれたものかも知れません.
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